Paidyのミッション、その開発の裏側とは?

2020/10/26
Paidy Staff

メールアドレスと携帯番号だけでお買いものができるPaidyは、クレカも事前登録も必要なく、さらには「あと払い」なので、代引きやコンビニで事前に支払うことなく、商品を受け取れます。つまり、お買いものをするうえで「めんどくさいなあ」と思っていることをなくしてくれるサービスなんです。そこで生まれたPaidyのミッションがこちら。

メールアドレスと携帯番号だけでお買いものができるPaidyは、クレカも事前登録も必要なく、さらには「あと払い」なので、代引きやコンビニで事前に支払うことなく、商品を受け取れます。つまり、お買いものをするうえで「めんどくさいなあ」と思っていることをなくしてくれるサービスなんです。そこで生まれたPaidyのミッションがこちら。

 

お買いものに「めんどくさい」はいらない。

 サービスの特徴をストレートに言い表したこのミッションはどのようにして生まれたのでしょうか。

弊社の代表取締役社長 兼 CEOである杉江陸(以下、杉江)とCMOのコバリ・クレチマーリ・シルビア(以下、シルビア)に話を聞きました。

エキゾチックな言葉の響き

ー「めんどくさい」という言葉を企業のミッションに入れるのはとてもユニークだと思うんですが、この言葉はどこから生まれたんですか?

杉江:
「めんどくさい」という言葉を最初に思い付いたのは代表取締役会長のラッセルなんです。

代表取締役会長 ラッセル・カマー

ーじゃあ、英語を日本語にしたってことですか?

杉江:
そうではなくて、もともとラッセルが日本語で「めんどくさい」と言っていたんです。Paidyがお客さまや加盟店の悩みを解決できる、その悩みを日本語では「めんどくさい」と言うことをラッセルが知り、「めんどくさい」という言葉の響きがエキゾチックでキャッチーだね、ということで使い始めたんです。

シルビア:
逆に「めんどくさい」を英訳するほうが難しかったですね。当初は「friction」と言っていたのですが、「friction」はモノとモノがぶつかることを意味するのでちょっと違うなと。そこでより感情的、情緒的な意味が含まれる「hassle」という単語を選びました。けれど、やっぱり「めんどくさい」という日本語の表現力はとても豊かで、私たちが目指していることにぴったりだと思い、ミッションの英語表記にも「めんどくさい」を残しているんです。

こちらがPaidyのミッションの英語表記

ーたしかに「めんどくさい」がしっかりと残っていますね。

金融、決済、そして「お買いもの」へ

ーでは「めんどくさい」という言葉を使うのは自然な流れだったんですね。

杉江:
めんどくさいをなくすというのは、ずっと言い続けてきた言葉で、まだ明確なミッションがなかった頃、従業員に「Paidyのミッションってなんだと思う?」と聞くと、全員が「めんどくさいをなくす」と言っていたんです。みんなの中にこの意識は浸透していましたね。

シルビア:
ミッションの議論をしたときに「めんどくさい」のほかにもいくつかの候補がありました。例えば、「リスクを積極的に取る」「人を信頼する」といった金融業界で難しいと思われていることですね。そういった意見もあったのですが、我々が今後ビジネスをするにあたって何が大切なのかを考えたときに、やはり「めんどくさいをなくす」ことが重要だという結論に至りました。

ーでは、比較的すぐにこのミッションは完成したのでしょうか?

杉江:
「めんどくさいをなくす」という考えはあったのですが、「お買いもの」という発想は当初はありませんでした。我々の事業ドメインはどこにあるのかという議論をした時に「我々は金融なのか?」「めんどくさいをなくすと言っているが、なんでもやるのか?」など、なかなか落とし所が見つからなくて。以前は会社のホームページに「新しい金融サービス」を作ると書いていました。その当時は”金融”という視点しかなく、プロダクトアウトすることに重きを置いていました。

シルビア:
やはりテックカンパニーやフィンテック企業はイノベーションしたいというプロダクト発想が強いですよね。以前はPaidyを語るとき「クレカがいらない」とか「メアドと携帯番号で支払える」とか、どちらかというと決済、つまりプロダクト寄りの言葉を使っていました。しかし、それでは領域が狭いのではないか、となったんです。もっとお客さまを中心に考え、「決済」ではなく「お買いもの」を応援しようという発想に切り替えました。金融から、決済、そしてお買いものという考え方に変えていきました。

ー金融、決済というプロダクトから、お買いものというお客さま寄りになった感じですかね。

杉江:
お客さまというか、よりパーパス(目的)が明確になったということですかね。金融や決済は単なる手段ですが「お買いもの」はまさに目的なんですよね。金融のみだとパーパスが見えない会社だったと思います。「お買いもの」に辿り着くことでパーパスが見えてきたんです。

シルビア:
ミッションというのは我々が何をするのか(What we do)を表している言葉で、なぜやるのか(Why we do)がパーパスです。実はミッションよりもパーパスの開発のほうが難しかったですね。

杉江:
ミッションについては「めんどくさいをなくす」という共通認識があったので問題ありませんでしたが、パーパスについてはPaidyは「誰のどういう目的を達成させられるのか」を考えないといけない。ここはとても苦労しました。

そうして出来上がったパーパスがこちら。

杉江:
シルビアがよく「ミッションとパーパスがセットになって初めてステートメントになる」ということ言っていたのですが、お買いものという言葉からようやくパーパスに近づけたと思います。

ギアチェンジをするために

Paidyにはミッション、パーパスのほかに3つの「カンパニーバリュー」というものがあります。

・勝ちにこだわる
・結果を出す
・大切なピースになる

こちらもストレートで力強い言葉が並んでいます。

ーカンパニーバリューはどういう経緯でできたんですか?

杉江:
「What we do(ミッション)」「Why we do(パーパス)」に続いて、私たちは何者なのか、つまり「Who we are」の定義が必要だという話になったんです。それと、我々が社員に求める行動は何なのか、これも定義する必要がありました。

もうひとつ、自分たちがやりたいことをやるというのはスタートアップの特徴ですが、それがミドルステージ、レイターステージになるうちに、勝ちを求められるようになるんです。そこでギアチェンジが必要になりました。責任を持ちながらどうビジネスを成功させるのか、どう勝つのかという定義も必要になったんです。

シルビア:
スタートアップにはスタートアップならではのエネルギーがあり、そこからイノベーションが生まれます。成熟した企業を目指しつつ、そういったスタートアップならではの”エネルギー”を残したいと思い、そのために必要なものは何かを議論しました。

ーなるほど、けっこう前のめりな言葉なのはそういう理由からなんですね。

シルビア:
ミッション、パーパス、カンパニーバリュー、これらを言葉で定義できたことで、やるべきことが明確になり、業務のプロセスやサービスを開発する際に同じベクトル、着眼点を持って仕事ができるようになりましたね。

若い人たちをエンパワーする

最後に今後Paidyが目指すことについて聞きました。

シルビア:
スタートアップ企業として、ユーザーと信頼関係をどう作っていくか、それをどう加速させるか、それが今後の成長のキーになると思います。今の時代、ECサイトも商品も本当に信頼できるものが減っていると思うんです。それゆえに我々のようなスタートアップ企業はまだまだ信頼されていない部分がある。そこを乗り越えないとなかなか利用にまで至らない。めんどくさいをなくすことと、信頼関係を作ること、これを目指していきたいですね。

杉江:
私は若い人をもっとエンパワーしたいですね。私たちの世代はみんなサラリーマンになることが当たり前みたいな、一様な生き方を強いられてきた。今はそんな生き方じゃなくて自由に生きられるようになりました。その一方で、世の中はオンライン化して、アノニマス化している。そんなのっぺらぼうな社会の中で生きるには、自分の人生を自分自身でカスタマイズしていかないといけない。そんな生き方をサポートできるような存在になりたいですね。

私は今の若い人たちの生き方を強く信じていて、敷かれたレールを歩む必要はなく、 レールを外れても日本や世界でイノベーションを起こすことができる若い人たちが出てくると考えている。レールから外れる勇気や余裕、そういうものはすごく大事だと思っているんです。そのきっかけにPaidyはなれる、役に立てると思っています。

シルビア:
そのためにも「夢に自信を、心に余裕を持てる世界を作る」というパーパスを作ったんです。みなさんの日々のサポートになれる、そういう存在にこのブランドがなればいいなと思っています。

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